以前、渡邉さんが木のイメージのあるハウスメーカーの仕事をしていたときのことを
「現場ではまず、丸ノコを使うことなんてないですよ。和室の造作も全て、加工された部材が現場に搬入されてくるのでそれを組み立てるだけ、大工と言ってもただの組立やですよ。」
どこも丸ノコやカンな掛けをしている大工さんの姿があるのが、家づくりの現場かと思っていました。
その渡邉さんが完成見学会のご案内でお客様に和室を「最近なかなか見ない和室ですよ。」と話していました。
後でどういうことかとそっと尋ねてみると
「廻り縁が2重だし、天井は桐を張っているし、最近は大壁仕様の和室が多くなってきているから、めずらしいんじゃないかなと思ってネ。」
そっかぁ!ローコストや工期短縮などのために、伝統的な和室が少なくなってきてます。
職人さんの手による加工が刻まれている、さりげないこの意匠が、落ち着いた和室の上質感を演出しているのだと思います。